ダライ・ラマ、生命と経済を語る
2007年11月30日 読書 コメント (2)
ダライ・ラマ「愛情と慈悲についてお話すれば―このふたつはわたしたちの言葉の中では本当によく一緒に登場します。―、いくつかの点でちがいはあります。まず最初に、男女間の関係について言えば、愛情は親密さであり、性的な欲望を伴う感情です。執着の感情に支配されている限りは、その愛情はよくない感情に分類される、とわたしたちは考えます。別のレベルで、例えば乳児とその両親の間でつむがれる緊密なつながりのような愛情や母性的な慈愛があります。これは情熱的な執着ではありません。母親は子どもに何も期待せず、ただその子に責任を感じ、なにごとにおいてもその子をしあわせにしようとします。この無償の愛情は、真の慈悲心に通じるのではないか、とわたしは思います。さらに突き詰めていけば、真の完全な慈悲心とは、自分の敵にすら愛情を感じるということに他なりません。真の慈悲心には執着心は少しもありません。つまり、目の前にいる相手が自分に害を与えようとやってきたことを知りながら、相手の悪意を止めるためにあらゆる用心をし、同時に相手を気遣い、相手を愛する。これこそが、真の慈悲心なのです。」
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