直筆位牌

2010年1月7日 日常
戒名と一緒にいただいた先生のお手紙に
「今は、写真から起こしてそのままお位牌を作るということもできるそうです。」
と書いてあった。

先生の直筆をそのまま位牌に彫る、ということかな。

位牌の注文なんて人生初だ。
どこで買えばいいのやら
相場がいくらなのやらサッパリだ。

こんなときに頼りになるのがヒゲくん母、おかあさまだ。
「おかあさん、お名前いただいたけど、お位牌どうしたらいいかわからへん。」
と相談して、いっしょに商店街の仏壇屋に行くことにした。

店主はおばあさん。
50がらみの息子兄弟がふたり、ばあさんの脇を固める。

ガラスケースの中から次々と塗りの位牌を出してきて並べるおばあさん。
値札には黒い文字で書かれた定価と、赤い文字で書かれた特価が上下に書いてある。
どの位牌も全部40%オフ以上の特価ですが、そういうもんなの?位牌って。

56,000円のと36,500円のと19,500円のと19,000円のを並べたところで
「どれにする?」とおばあさん。

わ。わからん。なにがどうなのか。
おかあさあ~ん、どれがなに?
「待って、メガネがないとなんにも見えん」
早くメガネかけて~~

メガネをかけて位牌をひとつひとつ手にとって裏表じっくり観察したおかあさん、
「みんなたいしてかわれへんな。これ、なにがちがうの。」とおばあさんとやりあってくれました。

金キラが多いか少ないか、彫り物がちょっと違うか程度のちがいか、と見極めたおかあさん、
「19,500円で、ええんとちゃう。」と無難なところに着地してくれました。ありがとう。

で、これにですね、直筆で彫っていただきたいんですけども。とお願いしたら
「いやー、いまはみんなコンピューターで彫るから、そんなんできやん。」とおばあさん。

コンピューターが彫るわけないやろーwとか
コンピューターで処理するからこそ転写が可能と違うんか~いwwとか
つっこみたい。

つっこみたいがつっこめないシチュエーションが商店街の仏壇屋。

「ちゃんとやっときます。」に、まかせるしかない。
おばあさんが文字数を数えて「一文字80円!」と叫ぶと
隣に控えた息子Aが文字数を数え始め、
奥に控えた息子Bが戒名のコピーを取りに行った。

とりあえず頼んで帰ってきた。

が、おかあさんもわたしも、なあんとなく腑に落ちない注文だったので
ほかも当たることにしてみた。


翌日、あっさり
「直筆彫りのお位牌、ご注文承ります」というところが見つかって
そっちにしました。


位牌の形にも意味があると教えてもらって、
「たくさんの人に慕われた人でした」の意味のお位牌にしました。

あぶなかった。
もうちょっとで
「春の日のようにほのぼのとした人生でした」のお位牌にするとこやった。
そんなわけないやん。な。おかあちゃん。

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