三月歌会

2010年3月22日 日常
初学者の心得は
コテンパンにやっつけられて覚えることだ、と思っている。

なので
高校の授業以来だが
歌会に詠草を二首送った。

一首は ふわっと浮かんだそのままの言葉を少し整えて句に換えただけのもの。
もう一首は、元の句に、もう少し内容を別の言い方で、とかなりいじったもの。

いじったほうがやっつけられました。

なるほどー。
こんな感じか。ここから掴んでいこう。

「おもしろいですね。(見方が)」
「なかなかいいセンスしてますよ。」
と褒められたので いい気になって精進しようと思います。


----

二首を作るために
表現で心掛けることを 母の遺してくれた本と手紙と母の歌から学んだ。
よっしゃ。
「骨太の歌詠み」
「凛とした歌詠み」
と言われたあなたの進んだ道を わたしもゆくよ。
私立に入学説明会に行ったら受験番号と名前を呼ばれて別室へ。
なに。いきなりなに。
「コース変更してください。いいですね。」
有無を言わさない教務からの言い渡し。うう、私立だ。

「ま、ここで、ボクやっとく。がんばる。」と本人が逃げなかったので
のんびりふわふわコースからビシビシガツガツコースにスライドしました。

教科書販売は本館の2階です、と案内されて渡り廊下を本館へ。
両側がガラス張りになっている廊下の左側には植栽のきれいな中庭とクレイコート。
右側には第1体育館。
強風吹き荒ぶ体育館横で、ふわふわコースの教科書販売をしている。
われ先に札を差し出す迫力の親子をさばききれない、鬼の形相の書店員。
えべっさんの福男のなみの迫力です。ひええ。

案内されて通された角部屋には人気はなく
穏やかな書店員がにこやかに教科書と参考書のセットを手提げごと渡してくれました。
ふわふわコースの倍の量ありますけどもこれ。
なにこれ。なにこの差別待遇。
本の販売のお部屋からもうこんなに差つけますか。私立。

ホントニダイジョーブナノー
ガツガツコース、ひどい目にあうよこりゃ。

とは思ったものの、
わたしたち親子に足りないのは真剣さだ。
ということがよくわかった受験だったので
甘い親とマイペースな子には
学校が本気で追い込むガツガツコースは神の差配かもしれんなぁ。と思いなおす。

やるか。と開き直った息子は
さっそく渡された春休みの宿題をやっつけはじめた。

強いなこのひとは。

3歳半健診

2010年3月19日 日常
ハーちゃんの3歳半健診。
体重14.5キロ 身長98.5センチ 健康。 虫歯ナシでした。

兄姉のおやつをつまみ食いするの日々なので
虫歯だけがハラハラでしたが
白っぽく見えてるところも虫歯ではありませんでした。ほっとした。

あいさつもOK
動物カードも日用品カードもテンポよくパーフェクト解答
大きい、小さい、長い、短いも迷いもなく指差し解答
折り紙も積木も難易度の高い最終ステージまでクリア
身体測定もなぜか斜め45度にモデル立ちで体重計に乗ってポージング
3歳児最大の関門と言われる「白衣のお医者さん」(=注射の人)による聴診も笑顔ですませ



最後に帰りたくないもっと遊びたいと言って泣きました。



午前中の「おにいちゃんショック」から
よろめきながら健康センターにたどり着いたのが12時半
終わったのが3時半。

ムリムリムリ。母の状態は「ひんし」です。
ホイミ系の呪文を誰かタノム。ヨレヨレ。

うちに帰ったら中3男子たちが
わらわらーと励ます会をやっていて
さっそくその真ん中に飛び込んで行ったハルさん、
おやつをわしづかみにして食べてました。

うう。この場合の呪文はなんだね。リレミト?

かろうじて~

2010年3月19日 日常
暮れからこっち
折れそうになることばっかりで
今の自分の様態を表す言葉を探すとしたら

「かろうじて」

が 一番ぴったりくる。

もうほんとに
ほんとに!
ガンバレ自分。

元気に 笑って が 基本だ、基本。

父の愛

2010年3月19日 日常
また、おどろいた。

第一志望校に不合格でした。息子が。

内申点は42点。
直近のテストでは250点満点で201点。
受験当日の体調もよし
とくに大きなミスもなし。
担任の先生も本人も母も よし、いけた、と安心しきっていました。

が、
「番号がなかった。」
なあんて、言うんだなこれが。

じょうだんが好きなんだからもうー
はいはいもういいからいいから。
で、手続き書類は?・・・・・・・・え。 手ぶら。・・・・ほんとに?


(ひーーーーーーーーー)←心の絶叫


母 「・・・・うん。挫折も大事!」
息子「・・そうや!挫折も大事や!」

切り替えていこう。
ここで踏ん張ろう。

あんなにがんばってたのに、可哀そうでたまらん。という気持ちや
年末からのゴタゴタで十分な支えにならんかったわたしのせいじゃないか、とさいなまれてみたり
もうあとひと押しツメとけばよかったのか、という後悔や
なにかの間違いじゃないのか?という単純な疑問やで
母のほうが先に折れそうです。

わたしが折れたらこの子も折れる。いかんいかん。

併願の私立高校にいいあんばいの成績で合格しているので
そっちへ気持ちを入れ直して
高校生活を楽しもう。
なにが大事って、高校は楽しいのが一番大事。

と、母子二人で持ち上げてきてるところへ
ヒゲくんから電話。


「あのな!オレ、高校へねじ込みに行ってくるから!おかしいやろ!って!
担任連れて行って、理由を説明せえって言うて納得するまで帰らへんから!」

あわわわわわわ。

えーと、えーと、
ああっもうこのひとややこしい~~~~~。


息子が「なんでやねん。」とため息をつくので
「それは父の愛なの。」と教えたら
「そんなズレた愛はいらん。」て。
そうねいらないね。トホホ。

夕方、母子以上に落ち込んでしまった担任の先生がうちに来て
先生も励ましつつ、
「ボクは私立で成り上がるから大丈夫」というところまで気持ちの立て直しもすんで
とりあえず子・先生・母の三者懇談は円満に終了。


当面の大金の段取りだけを思案しているところへ
ヒゲくん帰宅。

「どうやねん!高校へ乗り込んで暴きたててやる!」
と、轟轟と騒ぐので
「受験は、点数がすべてだよ。残念だけど力が足りなかった、ということだと思うよ。」と言うと

「点数の操作が行われておる!」
「採点基準がおかしい!」
「見せろ!答案を見せろっていうねん!」
がおー。

「開示請求ができるし、先生もわたしも本人も、納得して前へ進むために
開示請求して知っておこう、という話になったの。
だから何点で落ちたのか、っていうことは確認するつもり。」

ヒ「チガウ!点数の操作が!」バンバン!←テーブルを叩いて激昂
モ「そんなことはされてないと思うよ。」←15歳の本人のほうが冷静
ヒ「答案を見せろって言え!」
モ「そんなことをしてなんになる。落ちたのは事実やろ。」
ヒ「どこを間違ったか知ることは大事やないか!」

ああ~
母「あのね。振り返り学習はとても大事。でもね。受験はそのためのテストじゃないよ。
 受験はね、高校が選抜するための試験。点数がすべて、だと思うよ。
 だから、点数の開示は受けます。答案の開示もできたらしてもらってきます。
 だけどね。今から大事なのは気持ちを切り替えることだと思うよ。」

む。とヒゲくんが止まったタイミングで、母子アイコンタクト。今だ。セリフ、キュー。

息子「ボクは、私立に行きます。私立に行ってがんばります。よろしくお願いします。」

父「うん。そうか。それならそれで。」

よし。計画通り。打ち合わせしといてヨカッタ。


うちの父の愛は、とてもややこしいので
おくさんも子どももたいへんです。
 


正当な方法が、良心的な方法とは限らない。

「ただしい」ってことは、曲げないことではなくて
なにが幸せにつながってるか、を選ぶことかな、とわたしは思ってる。
大きなことから、小さなことまでなにに出会っても、
結局それがわたしの立ち位置だなーというのが最近分かってきました。

そんなわけで、子ども会の繰越会計の良心的な決着を提案してみました。

少数意見かなぁ、と思ったけれど
10対1で賛成多数だった。
良心的解決で、決着しました。

良心はあいまいだ。
「だってそれが良心的だから」の論拠は多分、それぞれの心の中で違うものが育っているはずだ。
それでも賛成多数で合意できたのは
・似通った考え方を持つ人 と
・別にどっちいでもいいなんにも考えてない人 が多かったからだろうなぁ。

反対1の人からは「丸めこんだ」と評されましたが。
とほほ。
そういう汚い言葉のもの言いにはへこむんだよねぇわたし。

ま、いいか。
丸めこむだけの才覚があるのだわ、わたし、と思っておく。うふふ。





そして良心的なワタクシは、
反対1の人がもごもご聞こえないように悪口言ってるのに
「意見があるなら、今、言わなきゃね。(にっこり)」とトドメも差してみました。

この人のどこがリョウシンテキかっ。

悪いことしたかなー、と反省する小心者ではある。
きのこの山の小袋が転がっている。

む。空っぽだ。


母「・・・・ハーちゃん。・・きのこのやま、たべましたか。」

ハ「・・・・・たべてない・・とおもいますもん。」

母「おくちが、きのこのやまのにおいしますけれども。」

ハ「はーちゃんじゃないです!」

母「きのこのやまたべたでしょー」

ハ「たべてません。」

母「おいしかった?」

ハ「おいしかった!メッチャおいしかった!」

母「たべたんですね。きのこのやま。」

ハ「ぬふー。うふん。おかあちゃん!いまパズルしてるから、静かにして!」

怒られた。どうなんだ。



無敵スイミング

2010年2月24日 日常
ハルさんの今月のスイミングの進級テストは

水中開眼・深顔5秒。

水の中でぱっちり目を開けていられる。
どぶん、と水にお顔つけができる。
の二つのテストです。
3歳児の壁。お顔つけ。

さ。どうかな~。

先生のせーの、の声に
どぼーん!と勢いよく頭のてっぺんまで水にもぐったハルさん。

えー。顔つけるだけでいいのにー。なに。そのまとめてかかってこいな感じは。
しかもゆっくり5秒数えてもまだ水の上にでてこない。
たっぷり10秒近くしてから「ぱはー!」と上がってきた。


「飛び級にしてもよかったんだけど、やめときました。」と、先生。
水はナメると怖いからねぇ。ゆっくり慣れましょう。
てことで、す・すーいと進級です。

兄も姉もみーんなここでながーいこと進級停滞したもんなんだけどねぇ。
テストが終わった後も飛び込み台の上からどっぼーん!て飛びこんでたし。
ちっこい体でがっつがっつ4泳法泳ぎ倒す日が、この人は一番はやいかもしんない。

なんか、このひとは 無敵です。




サル山の危機

2010年2月23日 日常
中学生ふたりが小学生ひとりをやっつけていてやかましい。
年度末の試験勉強に集中している中学生の空気が読めずに癇に障ったらしい。

夜だから、ケガさせないでよー(医者が開いてない)と声をかけて、
激化しそうな手前で割って入ってもうやめてよー、なあんて仲裁していたら
ハルさんが「ダメー!」と泣きそうな顔で間に飛び込んできた。

ぴた、と兄姉の動きがその一瞬で、全部、止まる。
兄姉のケンカは、いつどんな状況でも
ハルさんにどんな火の粉もかからない緊急停止システムが作動するのがよいところ。

ケンカの中央に飛び込んできたハルさん、
ドタバタを左右に分けていたわたしに向かってしがみついてきて叫んだ。

「おかあちゃんが しんじゃうー! おかあちゃんしんじゃだめー!」


え。あれー?そんなかんじ?

・・・あー・・・「子どものケンカ」を分けてるつもりでも
大きさ関係だけで把握すれば
兄>姉=母>妹 だし
殺気だけで把握すれば
兄>姉>妹>母 だし
はたと気づけば
わが子に勝てるとしたらスリーサイズぐらいだった。おもに下半身の。

いつのまにやら我が子のほうが大きくなって
サル山の制御があやうくなっていたか。そうか。

うん。そうかも。
ヨワってたらマウントされてボコられてもおかしくないのかも~。


「もしもおかあちゃんが、ほんとーにあぶなかったら、はーちゃんは逃げてね。」
と念のために教えておきました。



兄姉に向かって「しんじゃったらかなしいでしょ。」ピシリと言い渡すハルさんは、
こんなに小さいのにしんじゃうとかなしいってわかってるのがすごいなぁ。
なんだこの子。

2月歌会

2010年2月21日 日常
「先生にたいへんお世話になりまして
お目にかかってお礼を、と申し上げましたら、
そんなのいいから入会なさい、歌会においでなさい、とおっしゃいますので
今日はうかうかと参りました。」
と、出席のみなさまにごあいさつをしてからは
ただひたすらにニコニコして座ってました。

座ってるだけでいいって 先生、言ったもん。


・・・・なのに、選評、当てられたりしたよ。やっぱり。

久しぶりの国語の授業で、ものすごくおもしろかった。


ただ、
「豆幹」という言葉が出たとき
「焼べる」という言葉が出たとき
おばあさまがたが、もそもそと手提げバッグのなかから電子辞書を取り出して
かたかたかた、ぴ!と
直ちにその用法があってるか、読み方があってるかを調べたのには驚いた。
ほぼ全員が持ってるのか。電子辞書。このアラ80のみなさんがたが。

電子辞書は高校生が持つものだと思っちゃいかんかった。
重い辞書を何冊も持ちたくないのはまさにこの年齢層でした。



母から直接に教わったわけではないのに
おもしろい、と、つまらないがわかる
うまい、と、まずいがわかる
この言い方ではないはず、とわかる
言葉の手ざわりを、判断するようなものが自分の中に在る。
薫陶ってこういうことかと思った。

子どもってまったく別の人格なのに
こんなに親が染みこんでできてるものなのだと実感する。
子である自分を思う。
親である自分を思う。

この子たちがいずれ親になるとき
わたしが染みこんでいるのだと思うと
今をおろそかにできないと思う。
実家から、うちへ移した本の中から
「佐藤佐太郎の茂吉秀歌をまず読みなさい。」と書いた手紙が出てきた。

うへえ。おそろしい。
こういう千里眼のひとが、
わたしの人生のそこここにいて曲がり角ごとにあれこれ言う。なんだろうなこれ。

ということで千里眼(1)母の言うとおりに
茂吉秀歌を読みはじめる。

目で読んでるだけでは読み切れない。
こらあかんわ。と観念してノートに歌を書き写して砕いて飲み込む。

ひー。である。

どんな文学でもそうではあるけれど
特に短歌って文学は
かなり読む力がいるんだよなぁ。

読めないと詠めないし
詠むには体の中にちゃんと言葉が落ちてないと無理だ。
お粥しか食ってない体で道場のおけいこなんて無理だ。


歌会にうかがいます、なんて うかうか言っちゃったから
えらいこっちゃである。

母の本棚や机から、残った本を箱に詰める。
とても全部は持って帰れないので短歌の本や図鑑や辞典を選んで5箱。
持って帰って、うちの本棚を整理して収まるだけにした。

母の歌集が出てきた。

歌集とは言っても
先に本棚から出てきたような立派な装丁のハードカバー本ではない。

同人のお友だちが、母の歌を集めて冊子にまとめてくれて
体裁を整えてくれたものだ。
ワープロ打ちで作ってくれたのだろう。
昔懐かしい3.5インチフロッピーがいっしょに出てきた。

あとがきに
兄とわたしにあてた手紙があった。

遺されたものから 受け取ることが たくさんある。
亡くなる、ということからまた教えられることがはじまる。


本棚には短歌のための入門書と、基本書がどっさり。
絶版になっているものもどっさり。
母の思い出だというだけではなく、
これからのわたしを護るものでもあるのだろう。

たくさん、勉強しなきゃね。
宿題が多いよなぁ。






満中陰志

2010年2月13日 日常
「満中陰志」、と呼ぶのは関西方面独特らしい。
いわゆる「お香典返し」だ。

最近はホールでの葬儀が多くて
香典返しは葬儀屋さんの手配で当日返し、ということも多いらしい。

オリジナル・デ・タラメ・葬儀だったので、
自分で買って返すことになりました。

バレンタインデーということもあって
デパートのお菓子売り場は老若女子だらけ。
うわーエライとこへ来ちゃったなー、と後悔しつつ
ひとりひとりお好きそうなお菓子を選んでひとつひとつ発送しました。

酔った。人に。
おもに殺気立ったチョコを買う女子の群れに。
法務局にそろえた書類を持ってゆく。

申請の前に「相談」というところへ寄って
必要なものが全部間違いなく揃っているかを確認してもらう。

申請書。
相続関係図。
被相続人の生まれた時からの戸籍。
権利書。
相続人の住民票と戸籍謄本と印鑑証明。

束だ。

無事、チェックはパス。
申請窓口で申請してきました。
登録がすんだら登記が書きかえられた報告が来て、
相続は終了。


---

相続を専門の書士さんに頼まずに自分たちでやってみて
いちばん、ああよかったなぁ、と思えたのは、
父と母の生きた歴史を丹念に追えたこと。
戸籍から読み取れるものはたくさんあるんだなぁ。

母がわたしに戦争の体験記を遺してくれたのも大きかった。
7通にもなった戸籍(除籍)謄本が母の波乱の人生を縁どる資料になっていました。

相続の手続きは子が親の生き方を振り返る機会なのだとわかりました。

---

・・・・・ただ。
気になったのが。
父の父。わたしのおじいさんが、後妻さんをもらってるのをはじめて知った。
ていうか、その後妻さん、見たことない・・。
そんな人の話、誰からも聞いてない・・・。
しかもその後妻さん、いまだ除籍されてない。
・・・明治27年(※1894年:日清戦争開戦)生まれなんだけど。

見なかった。うん。見なかった見なかった。


同人

2010年2月11日 日常
弔問にこられた短歌会のお仲間が本棚から本をたくさん持って帰った。
この方たちの言う
貴重な本、というのは
自分たちの同人誌なのだ、と知る。

ふうん。
500部くらいしか刷らない本なので
一度失ったら二度と手に入らないのだそうです。
立派な装丁の個人の歌集。
ほとんどが自費出版。

弔問に来てくださったのは
母のとても親しい友人がひとりと
大阪の短歌会の選者の先生3人。
選者の先生方は
「あら、この人の歌はもひとつなのよ。」
「まぁ、この本は初心者にならいいと思うけれど。」
「あ、あったあった!わたしの本、もうどこにもないのよ。」
と40~50冊を箱に詰めてゆかれる。

なにがどう、いい本でどういうポジションの本だなんてこと
同人にしかわからんよなぁ・・・・・。
来てもらって選んでもらってよかったと、思おう。
ごそ、ごそっと歯の抜けたようになった母の本棚を見るのはとってもさびしかったけど。

いっしょに山歩き、街歩きを楽しんだマサコさんは
「わたしはな、声が聞きたいねん。」といって、
母が吹き込んだ短歌の朗読テープを母の作った袋に詰めて持って帰った。
「写真ない?写真がほしいねん。」というので
作ってきましたよ~と、母の写真をあげたら
「いややわ~。いたはらへんなんて。写真でしか会えへんのいやや~。」と泣きだした。

ええ友だちがおってくれて、よかったねぇ。おかあちゃん。

そばにいたはるよ。
春になったらいっしょに金剛山いきましょね。
と、お誘いしておきました。

友チョコ

2010年2月10日 日常
ハルちゃんがお姉ちゃんのまねをして友チョコを作りました。
「うふん!おともだちにあげるのー!」

おともだち。
ハルのおともだちって誰だ。

子育ての悩みがなんにもないこなれた4児の母ですが
ひとつだけ、「ハルに同年代のお友達がいない」のが悩みです。
うまーく母子ともに波長の合う人と出会えなくて。

週に一度のスイミング。月に2度のリズム体操サークル。
これでせいいっぱいの母にこまめさが足りないかなあ、と思ったり
いやーもーママ友はいらないわーと腰が重かったり
おもに母のせいですが。

上の子どもたちのときには
近所にやかましいほど同年代の子供がいて
常にうちが集会所だったので子どもも親もいっしょくたに家でごはん食べてたりしたのですが
マルさんあたりから同年代がガクッと減り
そういうおつきあいもだんだん遠のきました。

そんな3歳児におうちに遊びに行ったり来たりするような幼児のお友達はいないはず。
くるのは小学生だったり中学生だったり大人だったりのはず。(これはほぼ毎日出入りがある)

誰のことか。おともだち。

「あのねー、はなちゃんでしょ、ふうちゃんでしょー、しょうごくんでしょー、
みくちゃんでしょー、たいちゃんでしょー、はるくんでしょー、それからねぇ、ゆきちゃん。」

う。それって、スイミングの同じクラスのみなさん+先生。
うへえ!あなたクラス全員の名前ちゃんと覚えてるのー!
ぼんやり3兄姉にはなかったことです。

盲点だった。そうか。そこに同年代おともだち認定がかたまってるのか。


姉たちのまねをして型から外したチョコにアラザンでデコ。
姉のラッピングをまねて袋に入れ、
「今日はチョコをあげる日ー」と歌いながら
スイミングに持ってゆきました。

水着に着替えてからおともだちを見つけては
「はい!ふーちゃん、これちょこ!」とひとつひとつ手渡していました。

3歳にして水着でチョコを配る女。

ありえん。大物すぎる。


母は後ろから「お姉ちゃんのまねで友チョコ配りたいの~。
もらってやってくれる?チョコがだめだったらごめんね。」
とフォローに回りましたが
どの親も「うわあうちの子、初友チョコ!」と喜んでくれました。
・・そりゃそうか。ないよな。3歳児から3歳児に友チョコは。


お友だちがいない、なんて 母の思いすごしでした。
そうか。ともだちはじぶんでみつけてくるもんだよな。そういえば。

チョコをもらって、きょとんとするお友だちに
念を押さねばと思ったのか、
「おいしいよ♪」とポーズまでつけて有無を言わせぬ友チョコでした。

ハルさん、すげい。

オバカさんだ

2010年2月10日 日常
モックン、私立高校合格しました。


490人の募集に2450人の受験です。
数学でオオゴケしたー。もしかしたら、落ちるかもと
と珍しく本人ドキドキしてたようです。

届いた合格通知には

合格(選抜)と書かれています。

併願入試の場合は得点によってクラス分けされるそうで、
モックンはBクラスに合格しました。
まぁ、よかったね。
毎日7時間目+補習授業まである特進じゃないほうがいいと思ってたし、
スポーツ特待生とその他大勢のCクラスもキツイと思ってたし、
楽しく高校生活のおくれるとこに収まって。

と、母子でのんきに喜んでいましたが。

合格得点が明記されていました。
国語97点。
社会87点。
理科93点。
英語81点。


数学14点。

ええええええええええええっっ!!!!

お。おバカ。なにやったのこれは。


「超難問の大問にひきつってパニックになり
5たす3てなんだっけ?と8がでてこないまでに思考停止したあげく
40分中20分間、頭の中に春が訪れてふわーと過ごした結果、
我に返って解けた問題が14点分。」
ということだそうです。


「特進に入ってウツになるのを避けようと思って加減したの~」などとうそぶく息子。
彼史上初の100点満点中10点台を受験で取ってくるとはあっぱれだ。

「あはははー試験中にハワワワワワワワワワワーーーーーッってなったんはじめてやったわぁ~。」


・・・・次やったら、確実に落ちますよ。第一志望に。


「ま、次はだいじょーぶ。」

その余裕が。そのいわれのない余裕がどこから来るのあなたは。
公立に合格したらPSPがほしいなぁ~とか言い出しました。

合 格 し た ら な 。

するんだろうけど、こんないい加減なやつにお祝いなんか買ってやりたくない~www
洗濯機がこころもとない。

夜中も運転できるのが最近の洗濯機のクオリティなのに
夜中どころか昼の騒がしさの中でも
「ぎゅうううううん!きりきりきりりりりりー!」と悲鳴を上げつつ回り出し
「がごん、がごんがごんがご・・・・・・ぴぽぱぽぴーん♪」と
よじれて動けません。助けてぴぽぱぽぴーん♪とのんきにわたしを呼ぶ。
恐ろしくうるさいので
せっかく時間帯割引を生かして安い深夜電力で洗濯を、なんてことができません。
昼間に4度回します。
そのうち3度は脱水で止まります。
計4度分の洗濯に脱水は7回回す。
「いやだぁできない~」とゴネられるたびに
バスタオルの位置を変え、
水を多く含んだものを手で絞り。


洗濯板で洗う昔の苦労から解放されたはずの
現代の機械化されて時間の余裕ができたといわれている主婦ですが。
洗濯ものに一日つきっきりですがなにか。
それもホームタイムの一番ド高い電気料金でーーーー!


なにかがどこにはさまっているのか。

でえいとひっくり返して点検してみましたが
洗濯機の分解は普通の人はしないんでしょうなぁ。

一体成型になっていて、分解のとば口がひらけなかったり
簡単な構造に見えるから、がばぁ!と割ってもいいかと思うのに
どうやら基盤が雑に入れられてるから、よっぽどていねいに養生してやらんとダメだなとか
無理に開けたら分解ではなく破壊になってしまいそうです。


「買うで。新しいの買っちゃうで。」と脅しつつ回転を強要していたのですが
このごろの懸賞に電化製品が多いのをご存じ?
ななめドラム。大容量。静音。
必要だ。我が家に必要だ!

どかーっと 懸賞に応募してみました。

当たる気がする。(気がするだけ)
だって、今へこんでるもん。(わたしだけだが)
だって、私立の入学金だけで4万5千円も払うんだもん(中古なら買えるのに)
だって、公立合格したって制服とジャージと教科書で25万はいるもん(最新の洗濯乾燥機が買える)
ホラ!
当たる気がする。(気がするのはいいことだ)


なので
「そろそろ当たっちゃうで!」と脅しながら今日も洗濯です。

やつもがんばっている。わたしもがんばろう。
突然のことから
あわただしく日が過ぎて
事務も一段落
今後の方針もおおまかにまとまり
ここで少しスローダウン、と決めた。



アサギマダラというチョウがいる。
このチョウは渡りをする。
あの翅で1000キロもの海を渡る。
途中で落ちて死ぬチョウもいるだろう。
もしも海に船があれば
ほんのすこし止まり木で休みたいだろう。

アサギマダラのようだ。
海が広すぎる。
真っ暗で見えない海を渡る。
一気に渡ってしまわなければ水に落ちるだろうか。
ここでもし止まり木に停まって翅を休めたら
飛び立てるんだろうか。


スローダウン、と決めた。
区切りがついた。

足をとめた。



そのとたん 折れそうになってる。




ごはんが作れなくなってる。
毎日の献立が考えられなくなってる。
がんばれ、と思うが がんばれない。

そうか。こういうことか。
きついな。
大事な人を失うってことは。

ひとくぎり

2010年2月7日 日常
土、日とゆっくり話をして実家の処分が決定した。
方針が決まった。
新生活をはじめようとする兄。
自宅に戻って余生を生きようとする叔父。
「そのあと」のそれぞれの生き方のことはまだこれからだ。

よく考えてすすめてゆくために
あわてないでおこうね、と確認して
それぞれが、自分のことをゆっくり考える時間を持つことにして
帰ってきた。



母からの宿題の手紙を、兄にも読ませた。

「人に優しく 自分に優しく ニヤニヤ笑って生きて」ゆくために
今からの人生をどう生きてゆきたいかを
自分の胸に落ち着くまでよく考えてほしい。
できない理由を探さずに
できる工夫をしてほしい。

一生懸命、応援はするけれど
道は自分で開いてね

どんなに仕送りをして助けてあげられたら楽だろうと思うけど
それをしたらわたしがお兄ちゃんのこれからの人生をめちゃくちゃにしてしまうと思って
がまんしてるのをわかってほしい。

ゆっくり悲しんで
ゆっくりすすもうね。

言わなけりゃ。
わたしがちゃんと言わなけりゃ、ね、おかあちゃん。
そう思ってがんばった。



できたばかりの母の位牌は、兄が実家に持ち帰った。

ひと区切りついた。

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